2021.11.26おとなのむし歯 中高年は歯の根にご用心!
私達の人生には、むし歯にかかりやすい時期が三度あります。最初は乳歯が生えるとき、次は永久歯が生えてから生え揃うまでの時期、最後は歯肉が下がって歯の根が露出してくる中高年以降です。
先の二つの時期に出来るむし歯は、奥歯のかみ合わせ部分、隣と歯が接している面、前歯など、いずれも歯冠のエナメル質がおかされてむし歯が始まります。ところが中高年層では、歯の付け根あたりにむし歯ができているのが目立ちます。このようなむし歯を「根面う蝕」といいますが、なぜ中年期以降では根面がむし歯になるのでしょう。
象牙質はエナメル質より酸に弱い
中高年層では歯周病にかかっている人が多く、歯周病が進行して歯を支えている骨が溶け、歯肉の位置が下がって歯の根が露出してきます。エナメル質pH5.5以下で溶け出しますが、象牙質はpH6.2程度で溶けます。歯根部分の象牙質はエナメル質より酸に弱く、それだけむし歯になりやすい部分です。
加齢による唾液の分泌低下
唾液はむし歯から私たちを守ってくれる働きを持っています。この唾液の量は加齢と共に低下してきますが、唾液分泌量が少ないほどむし歯にかかりやすくなります。
お手入れ(プラークコントロール)が不十分な人
ご家庭でのブラッシングが出来ていない方、歯科医院での定期的なお手入れをしていない方は、どうしてもプラークや歯石が溜まりむし歯にかかりやすくなります。
絶えず食べている人
口寂しさからアメやガム、清涼飲料水などを絶えず口にしている方がいますが、これらの食品にはむし歯の原因となる砂糖を含んだものが多く、むし歯の危険度が高まります。