2021.01.29成人のお口の健康管理と予防のための チェックポイント!
むし歯と歯周病はお口の代表的な病気ですが、成人と子どもでは口の中の状態や生活が異なり、そのため予防や管理の点で気をつけるポイントも少し異なります。歯周病と違ってむし歯は大人になるとあまりかからないと油断する向きもあります。しかし大人も注意しなければむし歯になるのは当然です。
子どもと違う成人のお口のウィークポイントを知り、適切なホームケアとプロによる予防処置や定期チェックを受けて一生自分の歯で食事や会話を楽しんでください。
成人のウィークポイント
治療したところ
一度むし歯の治療を受けたところは要注意部分です。どんなに精巧に治療しても、人工物の周囲はプラークがたまります。特に被せものが合っていないところは、ブラッシングしても歯垢がとれずむし歯が発症しやすく歯周病も悪化するところです。
歯の根が露出したところ
歯周病の治療によって歯肉が下がると、露出した根の部分がむし歯になりやすくなります。理由は、歯の根はエナメル質である歯冠より酸に弱い象牙質だからです(エナメル質はph5.5で溶け出しますが、象牙質はph6.2程度で溶けます)。
歯と歯肉の境目(歯の付け根)のところ
歯周病の治療を受けていない方でも、加齢とともに歯肉がやせ歯の根元が見えてきます。久しぶりに歯科医院を受診したら、根元の部分にたくさんむし歯が発見されることがありますが、これが「根面う蝕」です。歯周病の治療で露出した歯の根がむし歯になるのと理由は同じです。
プラークコントロール不足
むし歯や歯周病の原因はプラークですが、ホームケアのブラッシングが不十分な方や歯科医院でのプロによる定期的なケアを受けていない方は、プラークや歯石がたまりむし歯や歯周病の原因になります。
睡眠不足
唾液には、酸性に傾いたお口の中を中和したり、溶け出したカルシウムを歯の表面に戻す(再石灰化)など、お口の健康を守る様々な働きがあります。加齢とともに唾液の量も減り、それだけむし歯を予防する力も衰えます。